「屋根のカバー工法をしたのに、なんだかおかしい…」「思っていた仕上がりと違う…」そんな不安を感じていませんか?カバー工法は、古い屋根の上に新しい屋根を重ねる方法で、費用を抑えながらリフォームできる人気の工法です。しかし、施工方法や屋根の状態によっては、思わぬ失敗につながることもあります。
例えば、「雨漏りが直らない」「屋根が浮いている」「工事後に強風で一部が剥がれた」といったトラブルは、適切な施工がされていないことが原因かもしれません。本記事では、カバー工法で失敗しやすい原因と、その対策を詳しく解説していきます。これから屋根のリフォームを検討している方も、すでに施工済みの方も、ぜひ参考にしてください。
カバー工法で失敗する主な原因
カバー工法は、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根を重ねる工事のため、手軽に屋根をリフォームできるのが魅力です。しかし、施工方法や事前の診断が不十分だと、以下のような失敗が起こることがあります。
① 下地の劣化を見落としたまま施工した
屋根の下地(野地板)がすでに劣化している場合、その上から新しい屋根を重ねても根本的な問題は解決しません。特に、すでに雨漏りが発生している屋根にカバー工法を行うと、内部の腐食が進み、後々大きな修繕が必要になる可能性があります。
② 施工の精度が低い(ズレ・浮き・隙間ができる)
カバー工法では、新しい屋根材をしっかりと固定することが重要です。しかし、施工が雑だと、屋根材が浮いたりズレたりして、隙間から雨水が入り込むことがあります。また、固定が甘いと強風で屋根材が剥がれるケースもあります。
③ 屋根の重量が増えすぎる(耐震性への影響)
カバー工法では、新しい屋根材を重ねることで屋根全体の重量が増します。軽量な金属屋根を使用すれば問題ありませんが、重い屋根材を選んでしまうと、建物全体の耐震性に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、築年数が経っている建物では注意が必要です。
カバー工法は正しく施工すれば大きなメリットがありますが、こうした失敗を防ぐためには、屋根の状態をしっかり診断し、信頼できる業者に依頼することが大切です。
カバー工法が向いている屋根・向いていない屋根
カバー工法はすべての屋根に適しているわけではありません。屋根の状態や種類によっては、適用できない場合もあるため、事前に確認することが重要です。ここでは、カバー工法が向いている屋根と向いていない屋根の違いを解説します。
① 向いている屋根
・スレート屋根(コロニアル)
スレート屋根はカバー工法に最も適した屋根のひとつです。比較的軽量なため、新しい屋根を重ねても建物への負担が少なく、スムーズに施工できます。
・金属屋根
金属屋根は軽量で耐久性が高いため、カバー工法との相性が良いです。特に、既存の金属屋根にガルバリウム鋼板を重ねる方法は、強度を高めながら屋根の寿命を延ばせるメリットがあります。
② 向いていない屋根
・すでに雨漏りしている屋根
雨漏りが発生している屋根の上にカバー工法を行うと、内部の腐食が進行し、数年後に大規模な補修が必要になる可能性があります。
・瓦屋根
瓦屋根はもともと重いため、その上に新しい屋根を重ねると建物への負担が大きくなり、耐震性の問題が発生する可能性があります。そのため、瓦屋根の場合は、カバー工法ではなく「葺き替え工事」が適しています。
カバー工法が適用できるかどうかは、屋根の状態や素材によって異なります。施工を検討する際は、事前に専門業者に診断してもらうことをおすすめします。
カバー工法のメリット・デメリット
カバー工法には多くのメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説します。
① カバー工法のメリット
・費用を抑えられる
カバー工法は、既存の屋根を撤去せずに施工できるため、撤去費用や廃材処分費を節約できます。そのため、葺き替え工事に比べてコストを抑えられるのが大きな魅力です。
・工期が短い
通常の葺き替え工事では、屋根を撤去して新しい屋根を施工するため、1週間以上の工期がかかることがあります。しかし、カバー工法は最短2〜3日で完了することもあり、住みながらの工事にも適しています。
・屋根の見た目が一新される
新しい屋根材を重ねることで、家全体の印象が大きく変わります。特に、色あせや劣化が目立つ屋根の場合、リフォーム後の美観が向上するのもメリットのひとつです。
② カバー工法のデメリット
・下地が悪いと意味がない
屋根の下地が劣化していると、カバー工法をしても問題が解決しません。すでに雨漏りが発生している場合は、下地補修をするか、葺き替え工事を検討する必要があります。
・屋根の重量が増える
カバー工法では、新しい屋根を重ねるため、屋根全体の重量が増えます。軽量な金属屋根を選べば問題ありませんが、重い屋根材を使用すると、耐震性に悪影響を及ぼす可能性があります。
カバー工法は適用できる条件が限られるため、事前にデメリットを理解し、適切な判断をすることが大切です。
カバー工法を成功させるためのポイント
カバー工法は適切に施工すれば、費用を抑えながら屋根をリフォームできる優れた工法です。しかし、失敗を防ぐためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、カバー工法を成功させるための大切なポイントをご紹介します。
① 施工前の診断をしっかり行う
カバー工法が適しているかどうかは、屋根の状態によって決まります。すでに雨漏りしている場合や、下地(野地板)が傷んでいる場合は、カバー工法ではなく「葺き替え工事」が必要になることもあります。事前にしっかり診断を行い、最適な工法を選ぶことが重要です。
② 信頼できる業者を選ぶ
カバー工法の仕上がりは、施工業者の技術力によって大きく変わります。経験の少ない業者に依頼すると、屋根材のズレや隙間が発生し、結果的に雨漏りにつながることもあります。施工実績が豊富な業者を選び、保証の有無やアフターサービスの内容も確認しておきましょう。
③ 屋根材の選び方も重要
カバー工法では、新しい屋根材の選び方も重要です。一般的に、金属屋根(ガルバリウム鋼板など)が適しており、軽量で耐久性が高いのが特徴です。一方、重い屋根材を使用すると、建物全体の負担が増してしまうため、耐震性の観点からも慎重に選ぶ必要があります。
事前の診断、業者選び、屋根材の選定の3つをしっかり行うことで、カバー工法の失敗を防ぎ、安心してリフォームを進めることができます。
まとめ
カバー工法は、費用を抑えながら屋根を新しくできる魅力的な工法ですが、下地の状態や施工方法を誤ると失敗するリスクもあります。施工前に屋根の診断をしっかり行い、適切な業者を選ぶことが成功のカギとなります。
特に、屋根の劣化が進んでいる場合は、カバー工法が適していないこともあるため注意が必要です。適切な屋根材を選び、信頼できる業者に相談しながらリフォームを進めることが大切です。
「カバー工法に失敗したかも?」と不安に思ったら、早めに専門業者に点検を依頼し、適切な対策をとることが、屋根の長寿命化につながります。