【未経験者向け】建築板金の仕事内容って?1日の流れから給料、将来性まで現役職長が本音で解説

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あなたが毎日目にしている住宅やお店、ビル。その建物の屋根や外壁が、どのような技術で作られているか、考えたことはありますか。雨や風から建物を守り、美しい外観を形作る重要な部分の多くは、「建築板金」と呼ばれる専門職人の手によって仕上げられています。


建築板金と聞いても、具体的にどんな仕事かイメージが湧かないかもしれません。「なんだか大変そう」「専門的で難しそう」といった印象を持つ方もいるでしょう。しかし、そのイメージの先には、一枚の金属板から建物の機能とデザインを創り上げていく、奥深く、やりがいに満ちた世界が広がっています。


この記事では、建築板金という仕事の具体的な内容から、職人の一日の流れ、そして多くの人が気になるキャリアや将来性まで、現場の視点から本音で解説していきます。ものづくりに興味がある方、一生モノの技術を身につけたいと考えている方にとって、新たな可能性を発見するきっかけになるはずです。




一枚の金属板から建物を守る「機能美」を創り出す仕事

建築板金の仕事とは、一言でいえば「薄い金属の板を加工し、建物を雨風から守り、美しく仕上げる専門職」です。紙を折ったり切ったりして形を作るように、専用の機械や道具を使って金属板を自在に操り、建物の様々な部分を創り上げていきます。


その活躍の場は、建物のあらゆる場所に及びます。例えば、住宅や工場の屋根を葺く「屋根工事」。ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、現在の建築において主流の一つです。また、デザイン性の高い金属サイディングを張る「外壁工事」や、雨水を集めて地面に流す「雨樋工事」も、建築板金の重要な仕事です。これらの部分は、建物の寿命や快適さに直結するため、非常に精密な技術が求められます。


単に金属板を取り付けるだけではありません。現場の寸法に合わせてミリ単位で加工し、水が浸入しないよう緻密に納める。そこには、機能性だけでなく、仕上がりの美しさも追求する職人技があります。建築板金は、建物の機能とデザインの両方を支える、まさに縁の下の力持ちといえる存在なのです。




【現場に密着】建築板金職人の1日の流れ

未経験の方でも仕事のイメージが掴めるよう、ある若手職人の一日を例に、現場のリアルな流れをご紹介します。建築板金の仕事は、現場でのチームワークが何よりも大切です。


一日の始まりは、朝礼から。会社や現場に集合し、その日の作業内容や工程、そして安全に関する注意事項を全員で確認します。道具や材料を車に積み込み、準備が整ったら現場へ向かいます。


現場に到着すると、本格的に作業開始です。午前中は、まず屋根材や壁材を現場の寸法に合わせて加工する作業から入ることが多いです。「切る」「折る」といった基本作業を、専用の機械を使いながら正確に行います。その後、加工した材料を建物に取り付けていきます。お昼休憩でしっかりと体を休めたら、午後の作業を再開。先輩の指示を受けながら、一つひとつの作業を丁寧に、そして安全に進めていきます。


一日の作業が終わる時間が近づくと、現場の清掃や後片付けを行います。明日の作業がスムーズに進められるよう準備を整え、会社に戻って終業となります。このように、毎日が新しい発見と学びの連続です。




厳しい、でも、それ以上の「やりがい」がある。

どんな仕事にも良い面と大変な面がありますが、それは建築板金の世界も同じです。ここで嘘を言っても仕方がないので、現場の職長として正直にお話しします。


まず、大変な点から。この仕事は、屋外での作業が基本です。そのため、夏の暑さや冬の寒さは直接体にこたえますし、天候によっては作業が中止になることもあります。また、屋根の上など高所での作業も多いため、安全には常に気を配らなければなりません。一人前の職人になるには、覚えるべき技術や知識も多く、最初のうちは体力的にもきついと感じる日があるかもしれません。


しかし、そうした厳しさを乗り越えた先には、他では味わえない大きなやりがいが待っています。一番の魅力は、自分の仕事が「形」として残り、街の景色の一部になること。何年、何十年と建物を守り続ける屋根や壁を見るたびに、大きな達成感と誇りを感じることができます。そして、施工が完了した時にお客様から直接「きれいになったね、ありがとう」と感謝の言葉をいただけた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。




5年後、10年後の自分は?描けるキャリアと仕事の未来

「この仕事を始めて、将来どうなるんだろう?」と考えるのは、とても大切なことです。建築板金の仕事は、経験を積めば積むほど技術が身につき、それが直接評価や収入に繋がっていく、非常に分かりやすいキャリアパスを描けるのが特徴です。


入社後の数年間は、先輩職人について現場の基本を学びます。材料の名前や道具の使い方から始まり、簡単な加工作業、そして徐々に取り付け作業を覚えていきます。3年から5年も経てば、一通りの作業をこなせる職人として成長できるでしょう。その後は、さらに技術を磨き、現場をまとめる「職長」という立場を目指すことができます。チームリーダーとして、若手の指導やお客様との打ち合わせも担当するようになります。


さらに、国家資格である「建築板金技能士」を取得すれば、技術力の証明となり、仕事の幅も広がります。将来的には、独立して自分の会社を持つという道も開けています。AIや機械化が進んでも、現場の状況に合わせて柔軟に対応する職人の手仕事は、決してなくなることはありません。確かな技術を身につければ、一生仕事に困らない。それがこの仕事の大きな強みです。


仕事の選び方やキャリアについて、より深く考えてみたい方は、こちらのガイドも役立つかもしれません。

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「ものづくり」が好きなら、建築板金は最高の選択肢になる

ここまで、建築板金の仕事内容からその厳しさ、そして大きなやりがいと将来性についてお話ししてきました。この仕事は、決して楽なことばかりではありません。しかし、自分の手で何かを創り上げることが好きな人、一つの技術をとことん追求したい人にとっては、これ以上なく面白い世界だと断言できます。


一枚の平らな金属板が、自分の手によって立体的な形になり、最終的に建物の重要な一部として機能する。その過程は、まさに「ものづくり」の醍醐味そのものです。経験を重ねるごとに、昨日できなかったことができるようになる。そんな自身の成長を日々実感できるのも、この仕事の素晴らしいところです。


もし、この記事を読んで、建築板金の世界に少しでも興味が湧いたなら、それはあなたの新しいキャリアの第一歩かもしれません。あなたの手で、未来の街の景色を創ってみませんか。


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